※ご注意※
この小説は身内で盛り上がっている連載小説の私的設定を元にしております。
(↑こちらの小説はサイトでは公開しておりません↑)
SR曹操とR曹操の関係が個々でありながら
R曹操はSR曹操の覇王としての魂の一部と力から生まれた存在だというでっちあげ設定が前提です。
(それを取り戻さないとSR曹操は完全な覇王になれないという…)
この説明で嫌悪感、拒否反応を感じた方はブラウザでお戻りください。
そして覇王がえらいヘタレで泣き虫です。
純粋なSR曹操ファンはこの辺で撤退がオススメかと…
それでも良い。
もういっそシソなら何でもいいよ!!
という心の広い方のずずいっと下へお進みください。
***
己は異端の存在。
ただ、覇王の欠片を持つだけの創られたモノ。
だから
構わないで欲しい。
優しさなんか要らない。
己が運命を、結末を、受け入れると決めたのに揺らいでしまいそうになる。
■■ 捩れた存在意義 ■■
SR曹操×R曹操 (私的設定版)
「どうした?上の空だな」
そう言われて、孟徳ははっと顔を上げた。
「何かあったか?」
「別に」
ふぅんと然程気にした風でもない曹操だったが、何を思ったか孟徳の腕を掴んで引き倒した。
「…ッ!おい!」
強かに背を打ち付けた孟徳が、抗議の声を上げる。
「そんな嘘、我が見抜けぬとでも思ったか?」
「何の事だ?」
「まだシラを切るか…」
表情一つ変えない孟徳に、曹操は眉を潜める。
元々の性格から考えれば何とも無いことなのだが…
「何をそこまで憂う?」
「知らん」
「孟徳」
「くどい…!」
掴まれた腕を振り解いて、孟徳は背を向けた。
「…そうか」
すうっと曹操が目を細めた。
背を向けている孟徳の肩を掴んで、力任せに押し付ける。
「痛ッ!お前…ッ!」
言い掛けた言葉は、ゆるりと首を掴まれる動きで遮られた。
息ができない訳ではない。
ただ己を見下ろす曹操の視線が、孟徳に言葉を発することを躊躇わせた。
「もう一度聞く、お前をそんなに不安にさせるものは何だ?」
「…知らん…ッ」
拒否の言葉に首を掴まれた指先に力が篭り、絞められかけた気道がひゅうっと鳴る。
「言わぬなら…このままだ」
このまま…
それもいいかと思ってしまった
今、己の首を戒める手で終りを迎えるならそれはそれで、と。
殺されるかもしれない。
そんな時だというのに、こんな考えが浮かぶ自分はおかしくなってしまったのかと、孟徳は内心笑った。
不意に、首を掴む指の力が緩む
「…何故、そんな顔をする?」
見上げれば、何処か哀しげな曹操が居た。
それはこちらのセリフだと言いかけたが、声には出さなかった。
そんな顔…今己はどんな顔をしているというのだろう。
目の前の存在に、こんな顔をさせてしまうような。
「孟徳…」
先ほどとは打って変わって、優しさと戸惑いが入り混じる声音で呼ばれる。
これが一番嫌だ。
崩れそうになるから、嫌いだ。
首から頬を撫でる手。
確かめるように、ゆっくりと頬を髪を撫でている。
「我は…お前のそんな顔を見ているのが辛い…」
「………」
何故こいつはそんなに創られたモノに構う?
いずれ在るべき場所に帰るだろう自分に…
答えない孟徳に、曹操は僅かに視線を落とす。
孟徳は、頬を撫でていた手を掴んで起き上がった。
「…下らん事だ。お前こそ気に病むな」
掴んだ曹操の手を口許に寄せて、指先に口付ける。
滅多に孟徳からこんな事はやらない。
本来なら喜ぶべき事なのだろうが、今が今だけに曹操は誤魔化されてる気がして気に入らない。
「…我にとっては下らぬ事ではない」
「なぜ、そんなに俺に構う?」
「何?」
曹操が怪訝そうな顔で聞き返す。
「俺が破片を持つからか?」
曹操は答えない。
そんなのは違う、と分かっている。
だから認められない。
認めたくない。
認めさせないで欲しい。
「欠片が欲しいならさっさと取り戻せ。俺は逃げも隠れもせん」
「…孟徳」
「完全な力が必要なのだろう?」
「孟徳」
「何故あの時さっさと消さなかった!そうすれば俺は…ッ!」
「孟徳!」
曹操が声を荒げる。
いい加減殴られると思った。
殴られ、罵られるならそれは望むところだった、のに…
ふわりと額に触れた柔らかな温もり。
「っ…!」
驚いて顔を上げると、それは孟徳の唇と重なる。
触れるだけの、吐息を重ねるような口付けだった。
唇が離れ、そのまま抱き締められる。
「何のつもりだ…」
曹操は答えない。
ただ、孟徳と抱き締める腕に力が篭ったのは感じた。
「……離せ」
「嫌だ」
これ以上は踏み込むな。
「孟徳、我は…」
嫌だ。
聞きたくない。
認めたくない。
「離せぇぇ―――ッ!」
絶叫に似た叫び。
ここまで強い拒絶はした事はなかった。
それでも緩まない腕。
喉が引き攣れるように痛い。
込み上げてくるものを堪えようと、噛み締めた奥歯が軋む。
会話が消えた部屋に、沈黙だけがが流れる。
「…孟徳、我はどうしてやればいい?」
ぽつり、と曹操が口を開いた。
「お前が苦しまぬならばどんな事でもしてやる…その為ならば何もいとわぬ…だから…」
抱き締める曹操の腕が、肩が、小さく震えている事に気付いて孟徳は曹操を見た。
「……何故お前が泣く?」
抱き締められているから表情まで伺い知ることは出来なかったが、頬を伝う透明な滴が見えた。
「…傍にいろ…孟徳」
その言葉に、孟徳は僅かに目を見開き、眉を潜めた。
「……馬鹿な奴だな…」
声とは裏腹に、孟徳の表情は何処か哀しげだった。
それはいずれはいなくなるだろう自分に傾けられた情に対してか。
それとも、この腕を振り解けない己の浅ましさに対してか。
抱き締める曹操の背に腕を回しかけて、孟徳の手が止まった。
ここで応じれば戻れなくなる…
今まで振り払い、拒み続けた自分が崩壊する。
それでもー―――
「本当に馬鹿な奴だ…」
お前も、そして俺も。
孟徳の手が曹操の背を抱いた。
この選択が愚かだと分かっていても無くしたくない。
頬を擽る長い髪に口付けると、孟徳は目を閉じた。
決められた結末しかない。
それでも、目の前の存在を手離す事など到底出来はしない。
何故こうなってしまったのか。
いつから自分の存在意義は捻れ、何も望まぬはずの空虚な心は何かを望むようになったのか。
だが、今となっては全てどうでもいい事だ。
僅かに体を離し、孟徳はまだ乾かぬ曹操の目元に口付ける。
その僅かな合間すら惜しいのか、抱き締める腕に力が籠もって孟徳は呆れ混じりに苦笑した。
「…お前が傍に居ろと言うのなら…今がある限り居てやる」
形を変えはじめた己の存在の意味を見つけるその時まで。
その時に自分がこの腕に応えられるかは分からないが
それでも生まれ抱いたこの感情に、「偽り」という捻れは無い。
了
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泣き虫ヘタレ覇王です。
内容は結構感情的には孟徳寄りかな?
あの子は無駄にうだうだ考えちゃうんだろうなと
思って書いた記憶が有ります。
何のかんので覇王が大好きなんですよw
ツンデレというかツンボケ孟徳(うちのR曹操限定かと)
行間マジックだらけです。
どうしても行間には無駄に拘る嫌なタチなもので…;
読みづらくないようにはしてるつもりですが
辛かったらすみません(土下座)
でっちあげ小説にお付き合い頂き有り難うございましたw
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