夜も更けた頃、とある屋敷の閨で絹刷れの音と時折聞こえる切なく縋るような声。
「ん…ッおねが…」
 乱れた単が敷布に広がり、組敷かれた小さな躰がしどけなく己を支配する目の前の逞しい肩にすがる。

 それに満足げに笑むと幸村は後孔から挿し込んでいた指を抜き去り、脚を掴んで持ち上げる。
 自身を当てがうと政宗はビクリと躰を震わせた。
「大丈夫だ。息を吐いて…力を抜け」
 いつも出来ている事だろう?と
 耳元に囁き、なだめる様に軽く口付けると細い腕が首に回される。
 耳元を擽る震えた吐息に合わせて幸村はぐっと自身を押し込んだ。
「あ…ッ!うぅ」
 狭い肉壁を圧し広げながら中を抉ると、政宗の表情が苦痛に歪み、吐き出される吐息も苦しげだった。
 自分より遥かに小さな躰に無理を強いている、という自覚は有る。

 だが、それ以上に募るのは独占という欲求。

 彼の全てに己を刻み込みたい。
 足の爪先から髪の毛の一房に至るまで…。 

「政宗」
 下で辛そうに目を閉じている政宗を呼んだが、相変わらず荒い呼吸を繰り返している。
「目を開けてこちらを見ろ」
 頬を撫でてやると、肩を震わせた。
 手を下ろしていって首筋をなぞると、固く閉じられた隻眼がようやく開いた。

 潤んだ琥珀の瞳がじっと見つめて来る。
 瞬きの度に涙に濡れた睫が揺れた。
 この瞬間が何よりも満たされる。
 この世に一つしかない琥珀の宝珠を思わせる瞳に映るのは己だけ。
 この竜を腕に抱けるのは自分だけなのだと…
 
 自惚れのような満足感。

 誰にも渡さない。
 唯一つのこの存在を。

「ゆ…きむら…?」
 そんな幸村の様子に政宗が首を小さく傾げる。
 その姿でさえ、幸村を煽るには十分すぎた。



随分前に書いたお話で…いや、うんエロですいません。
しかも終わってないし不発だしー!!



ブラウザバックでお戻りください。